政治史・比較政治
憲法を変えた女たち
アリス・ポールと全国女性党
ISBN
978-4-8150-1971-6
発売日
2020年6月24日
ページ数
80ページ
出版社
デザインエッグ
内容紹介
本書は、女性参政権を獲得するために、アメリカ合衆国憲法を変えた女たちの闘争を、100年以上前の英米の議会資料と、各地の新聞約120紙に基づいて描く、歴史ドキュメンタリーである。
アメリカの女性たちは、母親の世代から娘の世代へと引き継いだ72年間の参政権闘争の結果、1920年8月26日に、「アメリカ合衆国憲法修正第19条」を成立させ、参政権を獲得した。
この憲法を変える闘争の決定的な段階で、最も卓越した人物は、「オバマ大統領布告9423号」も断定しているように、アリス・ポールであった。
アリス・ポールと彼女が主導した全国女性党は、第一次世界大戦に一切協力していない。協力どころか第一次世界大戦期間中を通して参政権闘争を続け、ホワイト・ハウスに張ったピケットも継続している。
アリスが主導した「憲法を変えた女たち」は、違法行為を一切行うことなく闘い続けたが、500人前後の逮捕者を出し、168人が「繰り返して」投獄された。獄中では、多くの女性がハンガー・ストライキに入り、拷問を受け続けた。合法的なピケット中や、参政権を訴えるデモ中には暴漢から、獄中では看守の残忍な暴行に晒されることがあった。殉教者も一人出している。
今、なぜ米国の女性参政権闘争を振り返るのか?
米国では、2020年8月26日に、女性参政権獲得100周年を迎える。祝賀イベントを企画している多彩な団体は、「この100周年は、女性参政権獲得運動と今日の平等権問題との関連性を探究する比類のない機会を提供する」と、位置付けている。参政権闘争を振り返って現在の平等権問題に対処し、より平等な未来を創るのが、祝賀イベントの目的だ。
英国でも米国でも、歴史的・制度的な女性差別の典型は、女性に参政権がない事実だった。この女性差別を、英米の女性たちは、警官の性的暴行をも含む暴力行使や、不当逮捕・投獄・拷問にも屈することなく闘い続けて撤廃した。しかし、その後も、有形・無形の女性差別が存在する。「ジェンダー平等」を実現し、「男女共同参画社会」を実現するためには、歴史を厳密に検証し、歴史から学んで、現代の不平等問題に適切に対処する方策を見出さなければならない。
日本では21世紀の今日に至っても、「英米の女性参政権獲得も戦争協力への褒美」という神話が広く信じ込まれている。
米国では、オバマ大統領が公文書で明示しているように、憲法を変えた女たちの主導者は、英国でサフラジェットとして活躍し、逮捕・投獄・拷問を受けたアメリカン・サフラジェットだ。アリス・ポールの場合、英国のみで7回逮捕され、3回投獄されて獄中で55回拷問を受けた。
憲法を変えた女たちの多くは、米国・英国・ドイツなどで大学や大学院レベルの高い教育を受けた若い世代の女性だった。アリスの場合、ペンシルベニア大学で博士号を取得した後、26歳で米国の参政権運動を牽引し出した。彼女たちは、当時のウィルソン大統領と理論的・政治的に対峙し、違法行為を一切行うことなく、戦争協力も拒否して、歴史的偉業を成し遂げている。
アメリカの女性たちは、母親の世代から娘の世代へと引き継いだ72年間の参政権闘争の結果、1920年8月26日に、「アメリカ合衆国憲法修正第19条」を成立させ、参政権を獲得した。
この憲法を変える闘争の決定的な段階で、最も卓越した人物は、「オバマ大統領布告9423号」も断定しているように、アリス・ポールであった。
アリス・ポールと彼女が主導した全国女性党は、第一次世界大戦に一切協力していない。協力どころか第一次世界大戦期間中を通して参政権闘争を続け、ホワイト・ハウスに張ったピケットも継続している。
アリスが主導した「憲法を変えた女たち」は、違法行為を一切行うことなく闘い続けたが、500人前後の逮捕者を出し、168人が「繰り返して」投獄された。獄中では、多くの女性がハンガー・ストライキに入り、拷問を受け続けた。合法的なピケット中や、参政権を訴えるデモ中には暴漢から、獄中では看守の残忍な暴行に晒されることがあった。殉教者も一人出している。
今、なぜ米国の女性参政権闘争を振り返るのか?
米国では、2020年8月26日に、女性参政権獲得100周年を迎える。祝賀イベントを企画している多彩な団体は、「この100周年は、女性参政権獲得運動と今日の平等権問題との関連性を探究する比類のない機会を提供する」と、位置付けている。参政権闘争を振り返って現在の平等権問題に対処し、より平等な未来を創るのが、祝賀イベントの目的だ。
英国でも米国でも、歴史的・制度的な女性差別の典型は、女性に参政権がない事実だった。この女性差別を、英米の女性たちは、警官の性的暴行をも含む暴力行使や、不当逮捕・投獄・拷問にも屈することなく闘い続けて撤廃した。しかし、その後も、有形・無形の女性差別が存在する。「ジェンダー平等」を実現し、「男女共同参画社会」を実現するためには、歴史を厳密に検証し、歴史から学んで、現代の不平等問題に適切に対処する方策を見出さなければならない。
日本では21世紀の今日に至っても、「英米の女性参政権獲得も戦争協力への褒美」という神話が広く信じ込まれている。
米国では、オバマ大統領が公文書で明示しているように、憲法を変えた女たちの主導者は、英国でサフラジェットとして活躍し、逮捕・投獄・拷問を受けたアメリカン・サフラジェットだ。アリス・ポールの場合、英国のみで7回逮捕され、3回投獄されて獄中で55回拷問を受けた。
憲法を変えた女たちの多くは、米国・英国・ドイツなどで大学や大学院レベルの高い教育を受けた若い世代の女性だった。アリスの場合、ペンシルベニア大学で博士号を取得した後、26歳で米国の参政権運動を牽引し出した。彼女たちは、当時のウィルソン大統領と理論的・政治的に対峙し、違法行為を一切行うことなく、戦争協力も拒否して、歴史的偉業を成し遂げている。
著者紹介
1950年、岐阜県生まれ。元・名古屋税関職員。1975年に税関を辞めて渡英し、日英を往来の後、1988年からイギリスのヨーク市に永住。1994年、英国ブラッドフォード大学大学院で日本人初の平和学博士号取得。在職中、ブラッドフォード大学平和学部と、ヨーク市のヨーク・セント・ジョン大学で、大学院国際通信教育プログラムと国際文化交流プロジェクトを担当。2008年、日本国外務大臣表彰を受賞。
著書に『観光コ-スでないロンドン』『イギリスで「平和学博士号」を取った日本人』(以上、高文研)、『サフラジェット:英国女性参政権運動の肖像とシルビア・パンクハースト』(大月書店)など。2018年、『サフラジェット』で第13回「平塚らいてう賞」受賞。
歌集に、『The Floating Bridge: Tanka Poems in English』(Sessions of York) と『流刑のソナタ 異端調』(デザインエッグ)など。
寄稿に『第9条:和文と英文の差異』(軍縮地球市民No3)、『Peace Constitution of Japan』(The Oxford International Encyclopedia of Peace) など。
著書に『観光コ-スでないロンドン』『イギリスで「平和学博士号」を取った日本人』(以上、高文研)、『サフラジェット:英国女性参政権運動の肖像とシルビア・パンクハースト』(大月書店)など。2018年、『サフラジェット』で第13回「平塚らいてう賞」受賞。
歌集に、『The Floating Bridge: Tanka Poems in English』(Sessions of York) と『流刑のソナタ 異端調』(デザインエッグ)など。
寄稿に『第9条:和文と英文の差異』(軍縮地球市民No3)、『Peace Constitution of Japan』(The Oxford International Encyclopedia of Peace) など。
目次
- 00 はじめに
- 01 オバマ大統領布告9423号
- 02 英国でサフラジェットになったアリス
- 03 史上最大のハイド・パーク政治集会
- 04 逮捕がアリスとルーシーの遭遇へ
- 05 アリスが受けた獄中の拷問
- 06 暴政への抵抗は神への服従
- 07 サフラジェットのトロイカ
- 08 参政権運動史上のトロイカの出発点
- 09 首都ワシントンに闘争拠点
- 10 米国史上最大の政治パレード
- 11 NAWSAからの独立と初の下院採決
- 12 参政権臨時列車と全国女性党の創立
- 13 1916年大統領選挙闘争
- 14 殉教者イネズの衝撃
- 15 ホワイト・ハウスにピケット
- 16 戦争と女性参政権 米国・英国・日本
- 17 沈黙の歩哨の逮捕から投獄へ
- 18 アリスの精神病棟隔離と拷問
- 19 獄中の恐怖の一夜
- 20 アリスへの密使と沈黙の歩哨の釈放
- 21 大統領のアンソニー修正支持表明
- 22 控訴審判決――逮捕・投獄は違憲
- 23 大統領の参政権支持演説と上院採決
- 24 刑務所臨時列車・民主主義特急
- 25 ボストン港事件とオペラ・ハウス事件
- 26 アンソニー修正案--両院を通過
- 27 物静かなジャンヌ・ダルク
- 28 党旗に縫い付けた36の星
- 29 憲法が変わった日
- 30 おわりに
- 31 主要参考文献
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