戦争責任者を断罪すべし(二) の表紙
外交・国際関係

戦争責任者を断罪すべし(二)

第八九帝国議会、戦争責任をめぐっての大論戦

著者
若林 幹夫
ISBN
978-4-8150-0896-3
発売日
2018年12月31日
ページ数
80ページ
出版社
デザインエッグ
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内容紹介

一、八月革命説の妥当性
 「戦争責任者を断罪すべし」(一)において、三田村武夫議員が、次のようなことを語っていたのが印象的であった。〈ハッキリ申しましょう。八月十五日前の日本の秩序は実はない。八月十五日前の日本と八月十五日後の 日本とは日本が違う。日本の在り方が違っている。ポツダム宣言を受諾した瞬間に日本の在り方が変った。・・・既成秩序、既成概念というものを一ぺん捨てなければならぬ。捨てるところに新しい発足がある。破壊なき建設はあり得ませぬ。・・日本は破産の宣告を受けたのだ。過去の秩序は全部ご破算になったのだ。・・皆が一ぺん裸になってから大いに自由と正義の道に進む。それが新日本の建設なんだ〉
 この言葉を読んで思い出すのが、憲法学者・宮沢俊義の言う「八月革命説」である。封建的要素を含む軍国主義的な旧体制(旧秩序)の破壊から、自由と正義に基づく民主主義的な新体制(新秩序)の創造のプロセスこそ「民主革命」である。第八九帝国議会では、旧体制の戦争指導者の断罪という破壊のプロセスが進行し、次の第九〇帝国議会では憲法制定という新秩序の確立が目指された。
 二、革命裁判所の設置案が存在した。
 しかも東京裁判が開始される以前に、旧体制下における〈軍閥・官僚に対する判決書〉とも言うべき「戦争責任についての決議」(日本進歩党案)が、衆議院において賛成多数で可決された。作田高太郎議員の提案趣旨説明では、戦争指導者の責任を明らかにすると同時に、軍閥・官僚の政治体制そのものが痛烈に批判された。さらにはWGIPに基づく「太平洋戦史」の全国新聞への掲載命令が出された十二月八日以前に、帝国議会において活発な議論をがなされ、歴史的総括がしっかりなされた。しかも日本自由党からは、東京裁判とは別に、特別裁判所を作って、国を誤らせた軍閥・官僚らをしっかり裁くべきとの意見が出されていた。第八九議会においては、近衛文麿首相、米内光政首相、東条英機首相らが、名指しで厳しく糾弾された。特に十二月六日の衆議院・予算委員会における木村武雄議員の東条首相に対する憎悪の念はすさまじく、人民裁判による断罪の様相を呈してきた。国会史上、これほどの熱気のみなぎった国会は、八九議会だけである。(平成三十年十月)

著者紹介

近現代史学習資料刊行会・代表 

目次

  1. 01 はじめにー第八九帝国議会の歴史的意義について(二)ー    
  2. 02 昭和二〇年十二月一日 ー衆議院・本会議ー〔日本社会党〕水谷長三郎代議士による代表質問演説            
  3. 03 昭和二〇年十二月一日  ー貴族院・本会議ー(子爵)大河内輝耕代議士による代表質問演説               
  4. 04 昭和二〇年十二月六日 ー衆議院 ー予算委員会 ー〔日本自由党〕木村武雄代議士による代表質問
  5. 05 昭和二〇年十二月十日  - 衆議院 ・予算委員会 ー〔日本進歩党〕有馬英治代議士による代表質問
  6. 06 賀屋興宣回想録『戦前・戦後八十年』より<支那事変はなぜ拡大したか>
  7. 07 昭和二〇年十二月十日 ー衆議院・予算委員会 ー〔日本進歩党〕濱地文平代議士による代表質問
  8. 08 昭和二〇年十二月十四日 ー貴族院 ・ 予算委員会 ー中山太一代議士による代表質問
  9. 09 (解説と考察・その一)【大東亜戦争調査会】はどうなったのか
  10. 10 昭和二〇年十二月十七日・衆議院(ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件)委員会
  11. 11 (解説と考察・その二) 東條首相の憲兵政治(恐怖政治)の罪状とは何か
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