仏教者・鈴木大拙、日本敗戦の根本原因を論ず の表紙
日中・太平洋戦争

仏教者・鈴木大拙、日本敗戦の根本原因を論ず

神道イデオロギイとの対決(一)

著者
若林 幹夫
ISBN
978-4-8150-2292-1
発売日
2020年11月9日
ページ数
80ページ
出版社
デザインエッグ

内容紹介

 本書では、禅・仏教の大家でもある鈴木大拙師が、敗戦直後に渾身の力を振り絞って、祖国日本の再建のために著した『霊性的日本の建設』『宗教と近代人』『日本の霊性化』が紹介されています。大拙師は、宗教思想家の立場から、日本敗戦の根本的原因を論じ「神道が日本を滅ぼした」ことを断じています。終戦時、大拙師は75歳であったことを考えると、その精力的な著述・講演活動には驚嘆せざるを得ません。広島・長崎に原子爆弾が落とされ、首都・東京が戦争の惨禍によって焼け野原となった。その惨状を目の当たりにして、何としても日本人の精神を根本的に改造しなくてはならないことを痛感した。そのためには「破壊と創造」のプロセスが不可欠である。その第一に着手すべきは「神道イデオロギイの破壊」であり「神道イデオロギイとの訣別」である。
 一方、大拙師は単なる仏教者ではなかった。長年にわたる滞米生活を経験しており、語学力も堪能であったので、戦前・戦中においても英米ジャーナリズムの動向には、注意を払っていました。戦前・戦中から国際的視野で日本国民の精神構造のあり方について、思いをめぐらしていた。敗戦直後、日本国民は自信喪失状態にあり、精神的な混乱状況に陥っていた。仏教者として日本国民の精神的復興と文化的再建へ指針を明らかにし、その道筋をしっかりつけておく必要があるという使命感に満ち溢れていた。
 当時の大拙師の文章を読むと、日本人の精神構造の「破壊と創造」という課題に、並々ならぬ情熱を込めて取り組んだことが了解される。「神道イデオロギイとの訣別」がなぜ必要なのか。それが満州事変・支那事変・大東亜戦争の歴史的総括といかなる関係を持つのか。さらには日本国憲法と教育勅語といかなる関係を持つのか。そして、この戦後日本の原点をしっかり確認することがいかに現在の日本国民にとって重要な意義を持つのか。日本国憲法の歴史的意義とは何か。それは憲法の条文を読んでも理解はできない。憲法学者の議論にも限界がある。それを明らかにするのが本書編集の目的である。

著者紹介

近現代史学習資料刊行会・代表

目次

  1. 00 はじめに
  2. 01 『霊性的日本の建設』序 
  3. 02 如何に新日本を建設すべきか
  4. 03 キリスト教の進出と日本の宗教革命
  5. 04 『自主的に考える』(一)ー国家神道批判ー
  6. 05 『自主的に考える』(二)ー自主性と自由性ー
  7. 06 『日本の霊性化』第一講「日本敗戦の総括と世界平和への道」
  8. 07 『日本の霊性化』第二講「神道イデオロギイ復活の危険性」
  9. 08 『日本の霊性化』第三講「新憲法と日本の霊性化」
  10. 09 (参考文献)
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