社会一般
新型コロナinterviews
市井の人々はいかに生き抜いたのか
ISBN
978-4-8150-2194-8
発売日
2020年10月12日
ページ数
80ページ
出版社
デザインエッグ
内容紹介
本書で示すインタビューは、2020年4月中旬から6月末という新型コロナの第一波が日本に上陸し、まさに日本政府が出した『緊急事態宣言』(4月7日発出その後全国へ、5月25日解除)下のなかにある人々を対象としている。しかも、外出が著しく自粛という形で禁止をされ、本当に身近な家族もしくは知り合いにzoom という最新の通話機器を用いてリアルに対面することを抑制された中で実施されたインタビュー集である。
本書では、たとえば、7・8割減ということにまで追い込まれた個人タクシー運転手が、ある日は誰一人お客さんがおらず、売り上げが0円の日もあり、休業したのは「あなたの勝手でしょ」という形で追い込まれて行く様子や、学費を奨学金やアルバイトでやりくりしていた女子学生は、延納手続きをしギリギリのやりくりをしている。韓国に旅行に行った女性は、楽観的な性格だったが、「反省したなあ。そういうのあかんなあ、そういう周り心配させたらあかんなって思った」という形で飛行機も減便されていく中で追い込まれて行く様子が描かれている。
毎日の献立を考えるある主婦は、「ニュースは主婦の気持ちを何ひとつわかっていないし、何も考えてないわ」と吐露し、目に見えない日々の日常の暮らしのなかで元気だった母親が次第に笑顔が消えていく様子を目撃する。また、シングルマザーで家族のことを考えると休業せざるを得なくなった派遣社員の女性は、健康においても収入面においてもさらに逼迫していく様子を「正社員さんは在宅するんですけど、派遣はみんな来てと言われている人も多い。通勤電車が危ないっていうなら、それはみんな同じじゃないですか。派遣社員だって通勤電車は危ないはずなのに、派遣社員はコロナにかかってもいいの?って思ってしまう。正社員さんは守られるけど・・・っていうのはどこも報道してないし。同一労働同一賃金と4月から施行されているのになって差を感じます」という形で正社員と非正規社員との格差の表出として語られている。
これらは当事者が現実に思っていても、語られる場もないし語ることもできない、なかなか表に出てこない言葉たちであるだろう。新型コロナウィルスが感染症だけではなく、日常的実践に深く影響を及ぼしていることを19のインタビューを通してみる。
本書では、たとえば、7・8割減ということにまで追い込まれた個人タクシー運転手が、ある日は誰一人お客さんがおらず、売り上げが0円の日もあり、休業したのは「あなたの勝手でしょ」という形で追い込まれて行く様子や、学費を奨学金やアルバイトでやりくりしていた女子学生は、延納手続きをしギリギリのやりくりをしている。韓国に旅行に行った女性は、楽観的な性格だったが、「反省したなあ。そういうのあかんなあ、そういう周り心配させたらあかんなって思った」という形で飛行機も減便されていく中で追い込まれて行く様子が描かれている。
毎日の献立を考えるある主婦は、「ニュースは主婦の気持ちを何ひとつわかっていないし、何も考えてないわ」と吐露し、目に見えない日々の日常の暮らしのなかで元気だった母親が次第に笑顔が消えていく様子を目撃する。また、シングルマザーで家族のことを考えると休業せざるを得なくなった派遣社員の女性は、健康においても収入面においてもさらに逼迫していく様子を「正社員さんは在宅するんですけど、派遣はみんな来てと言われている人も多い。通勤電車が危ないっていうなら、それはみんな同じじゃないですか。派遣社員だって通勤電車は危ないはずなのに、派遣社員はコロナにかかってもいいの?って思ってしまう。正社員さんは守られるけど・・・っていうのはどこも報道してないし。同一労働同一賃金と4月から施行されているのになって差を感じます」という形で正社員と非正規社員との格差の表出として語られている。
これらは当事者が現実に思っていても、語られる場もないし語ることもできない、なかなか表に出てこない言葉たちであるだろう。新型コロナウィルスが感染症だけではなく、日常的実践に深く影響を及ぼしていることを19のインタビューを通してみる。
著者紹介
1975年大阪府生まれ。関西学院大学社会学部教授。放送大学客員教授。災害社会学、環境社会学。「東北学院大学震災の記録プロジェクト」主催。著書に『震災と行方不明―曖昧な喪失と受容の物語』『災害社会学』『3.11霊性に抱かれて- 魂といのちの生かされ方』『私の夢まで、会いに来てくれた— 3.11 亡き人とのそれから』『悲愛―あの日のあなたへ手紙をつづる』『呼び覚まされる霊性の震災学―生と死のはざまで』『震災学入門 ―死生観からの社会構想』『生きられた法の社会学―伊丹空港「不法占拠」はなぜ補償されたのか』『新体感する社会学―Oh! My Sociology』『3.11 慟哭の記録―71人が体感した大津波・原発・巨大地震』『震災メメントモリ―第二の津波に抗して』『反福祉論』(大澤史伸共著)など。
目次
- 01 はじめに 金菱 清
- 02 ■第一部 仕事を支える
- 03 1章 コロナ禍におけるタクシー業界の実情 芦田かのん
- 04 2章 子供たちに会うことこそが保育士の仕事 星野 凌
- 05 3章 医療崩壊に備える地方大学病院の現状 村上沙希
- 06 4章 高齢者の生活全般支える看護の仕事に制約がかかること 寳山 蒼
- 07 5章 繫忙期の仕事に打撃を受けたスポーツ店 柴山未空
- 08 ■第二部 世界での経験
- 09 6章 世界一の感染国、スペインでのレストラン経営 渡辺由理
- 10 7章 「Mask People」に隠された意味 木村遥香
- 11 8章 パイロットへの卒業条件はフライト200時間 花野舞衣
- 12 9 章 反省しきりの韓国旅行 下岸 梓
- 13 10章 米の自由な国民性と不自由な生活 村上ひなた
- 14 ■第三部 学生として
- 15 11章 韓国に帰ってきて 岡部 優
- 16 12章 コロナ禍における学生とアルバイト 横田駿介
- 17 13章 陸上ホッケーでコロナ禍でも失われない大切なこと 山岸理佑
- 18 14章 混乱下で顕在化する差別の目 片山瑛斗
- 19 15章 働きたいのに働けない新入社員 井上理子
- 20 ■第四部 在宅の意味
- 21 16章 派遣社員はコロナにかかっていいのか 向井樹奈
- 22 17章 コロナで一番仕事が増えたのは私たち主婦だ 土井一輝
- 23 18章 残業時間の管理も自己申告 林ひなた
- 24 19章 在宅勤務のため父が家にいる 平山真衣
- 25 プロジェクトを終えて 木村遥香
- 26 おわりに
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